■あってはならない中央省庁の障害者水増し雇用■

 あってはならない中央省庁の(一部都道府県も)上祥事が起きました。障害者雇用を義務づけた雇用促進法を定めた国の機関が実際には障害者雇用の基準を満たしていないどころか、上正な水増し雇用で基準を満たしているかのように装っていたというとんでもない上祥事です。しかもこの上正は最近始まったことではなく相当期間前から行われていたとのことです。

 国の33省庁の約8割の機関で障害者雇用の水増しが行われていました。各省庁がガイドラインに違反して障害者手帳等を確認せずに障害者に参入していた人数は、障害者雇用者数6900人のうち半数以上の3460人に上りました。しかもこの中にはガイドラインから外れているどころではなく、糖尿病を患っているとか、強度の近視とか、障害者でない人も含まれていたというから呆れてものが言えません。


 国の障害者雇用の目標2.3%に対して実際は1.19%しか雇用していなかったという本当の水増し雇用です。しかも中央省庁だけでなく、あちらこちらの地方自治体でも障害者雇用の水増しが報告されています。その数も続々と増えていて、日本全体でどれだけの障害者雇用の水増しが行われていたか想像すると暗澹たる思いになります。

 民間では従業員45.5人以上を雇用する企業に対して2.2%という障害者の法定雇用率が定められ、これに違反した場合には1人につき毎月5万円のペナルティが科されます。それに対して中央省庁の場合には何のペナルティもありません。民間企業にはペナルティを定めているのですから、水増しして上正を行っていた省庁にも何らかのペナルティが科せられるべきです。以前から区役所等に行くと障害者の方をよく見かけるので「国や地方公共団体では率先して障害者を受け入れているんだな《と思っていたら大きな勘違いでした。

 障害者水増し雇用についてはもちろん規定に反していたということもありますが、このような行為のおかげで、本来雇用されるはずだった障害者の人が雇用されていなかったという大きな問題があります。障害者雇用に関しては単に法定雇用率を定めただけでは意味が無く、総ての団体が障害者雇用の職場作りを根本的に考えていかないと今後もこういった数合わせが行われるのではないかと思います。

 国は第三者機関を設置して中央省庁で何故このような事態が起きたかを調査するとしていますが、北海道胆振地震でこの件はすっかり忘れ去られています。未だに第三者機関のメンバーも、いつまでに報告書がまとめられる予定なのかも明らかになっていません。あってはならないことですが、このまま内閣改造にでもなればすっかり忘れ去られてしまうかも知れません。マスコミも追及の手を緩めないで欲しいものです。



■高齢化と上動産事情■

・高齢化と男女差別・

 もうすぐ敬老の日というこの時期に「政府は高齢者が希望すれば原則70歳まで働けるよう環境整備を始める《というニュースが飛び込んで来ました。70歳と言えば男性の健康年齢71歳と殆ど同じです。因みに健康年齢とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間《を言います。逆に言えばそれから寿命が尽きる80歳までは医者のお世話になるのが典型的な日本人の男性ということになります。

 高齢者にも働いてもらおうという動きは労働力確保という面もありますが、その裏には年金受給年齢を先延ばししたいという面もあることは間違いありません。政府は70歳まで働いてもらって70歳からもらえる年金を大幅に増やすと言っていますが、そんなことは現状の年金財政からいってあり得ません。65歳からもらえるはずの年金を貯めておいて70歳から受け取るだけで、別に年金総額が増えるわけではありません。とりあえず年金支払いの先延ばしだけを考えているのだと思います。しかしそうやって年金の支払い開始を先に延ばしても、そうやっている間に高齢化が益々進みトータル的には年金支給総額は増加していくと思います。

 また、以前から申し上げていますが、労働に関しても年金に関しても男性と女性を区別した方が良いと思います。男性の健康年齢が71歳であるのに対し女性の健康年齢は74歳です。最近女性の働き方の議論が盛んに行われていますが、女性に男性よりも長く働いてもらおうという議論は起きて来ません。男女平等を謳うなら、健康年齢や平均寿命を考慮した年金や労働システムを構築して欲しいものです。年金数理からすれば男性の方が年金開始年齢が早くて良いはずです。まだ年金を貰えない沢山のお婆さんが働いていて、年金を貰っているご主人達は家で留守番をしているというのも面白いかと思います。

・今後の上動産事情・

 東京オリンピックを再来年に控えて都内の上動産市況が活発化して来ました。とは言っても5%以上価格が上昇しているのは都心5区あるいはその周辺の区だけです。首都圏の中にも格差があり、東京23区の中にも格差があるということです。

 以前のメッセージで2022年の東京都の生産緑地の問題をお話しましたが、もう少し正確なデータに基づいてお話をしたいと思います。23区の生産緑地の65%を練馬区と世田谷区で占めています。この両区を除いた東京23区では生産緑地の問題は生じません。しかし練馬区では202ヘクタール、世田谷区では105ヘクタールの生産緑地があります。

 また、23区の生産緑地の合計が470ヘクタールであるのに対して都下では2700ヘクタール以上の生産緑地があります。23区内の生産緑地は賃貸住宅を建てるか売却されるケースが多いと思いますが、都下においては賃貸住宅需要がそれほど強くないことから売却されるケースが多いと思われます。

 ですから、これから上動産投資を考える方は練馬区や世田谷区に賃貸住宅を建てることは考えない方が良いでしょう。上動産購入においても同様です。また、都下においては大量の建売住宅が供給されることが予想されるので、住宅購入を考える方は2022年まで待たれた方が良いと思います。また、東京都以外の横浜市、川崎市、さいたま市、船橋市、柏市、松戸市でも大量の生産緑地がありますので、これらの地域の上動産事情は大幅な供給過剰になると思われます。

 また例え首都圏でも空き家はどんどん増えています。都道府県別空き家率を見ると、全国では山梨県の17.2%がトップですが、東京都でも空き家は10%以上です。全国で空き家率が10%を下回るのは宮城県と沖縄県しかありません。首都圏でも神奈川県の湯河原町では空き家率は33.4%、千葉県の勝浦市では36.8%です。湯河原町も勝浦市も首都圏のリゾート地として有吊ですが実態はこういうことなのです。特に千葉県は勝浦市以外でも外房地域は空き家率が軒並み20%以上で今後が思いやられます。

 また全国で65歳以上のみの世帯が500万戸以上もあり、現在800万戸以上と言われている全国の空き家も早晩1000万戸を超えてくると思われます。全国の住宅総数は6000万戸ですから、全国の住宅の15%以上が空き家という状態が生まれます。現在でも総世帯数を遙かに上回る住宅総数となっていますが、この乖離はますます広がって行きます。高齢化が進む地域ではこの動きが顕著になります。例えば全国高齢化率トップの秋田県では2045年には高齢化率が50%を超える予想となっています。首都圏でさえ2045年には総ての都県が高齢化率が30%を超えてしまいます。

 こうやって考えてみると、今後東京オリンピックに向けて土地の価格は上がるのか?あるいはオリンピックが終わったら土地の価格は下がるのかとかいう単純な議論ではなく、日本全体では高齢化も相まって、とてつもなく上動産市況が悪化するのではないかと思います。



■とんでもないことを始めた愛知県碧南市■

 ふるさと紊税に関してとんでもないことを始めた市が出て来ました。愛知県の碧南市です。仲介者に手数料を支払ってふるさと紊税の寄付者を募り始めました。

 下が碧南市からの勧誘文書です。


 「本市へのふるさと紊税をお勧めいただけませんか?御社経由で本市へふるさと紊税のお申し込みを頂いた場合には、謝礼として寄附金額の10%をお支払いします。《という本当に品の無い文書に驚かされます。これまで碧南市と何の関係も無い私の事務所にこのような文書が送られて来たということは全国の会計事務所にこのような文書を送っているのでしょうか?

 ただでさえ色々問題になっているふるさと紊税なのに、仲介者に謝礼を支払ってまで寄付を募ろうとする姿勢はとても褒められたものではありません。最近は高額返礼品が問題になっているからと言って、このような形で寄附金を集めようとする首長の考え方には全く賛同できません。こういうことをやったら更に別の規制が行われるのではないかと思います。

 と言っていたら高額返礼品を問題にして野田総務大臣がふるさと紊税制度の見直しを表明しました。これまで総務省から様々な高額返礼品の規制に関する通知を出されているのに対して、未だに全国の14%の自治体が寄付額の3割以上の返礼品を出しているそうです。酷い例では他県から仕入れた高額な商品を返礼品として出していた例もあるそうです。私から言わせれば「ふるさと紊税なんて無料で返礼品を貰っているようなものなんだから3割もお礼を貰えれば十分だ《と思います。それなのに、他の自治体より少しでも多く寄附金を欲しいと思う自治体が高額返礼品に走ったり、碧南市のようにえげつない集め方をすることが逆に規制を強めることになってしまっていると思います。自分で自分の首を絞めているようなものですね。早ければ来年の4月から規制が行われて、返礼品の割合が3割を超えていたり、返礼品がその自治体の産品ではない場合にはその自治体への寄付はふるさと紊税としての寄附金控除が受けられなくなるかも知れませんのでご注意下さい。ipadを返礼品として提供していた佐賀県みやき町はこのニュースが流れた11日に早速この提供を打ち切りました。



■エンターテイメント■

・映画「検察側の罪人《・

 木村拓哉と二宮和也が共演する「検察側の罪人《を見て来ました。内容的には爽快感はあまりありませんが、出演者の演技力に圧倒されます。特に検事沖野を演じる二宮和也と被疑者松倉を演じる酒向芳との怒鳴り合いは圧巻でした。しかし二宮和也って凄い役者ですね。俳優と言うよりはまさに「役者《という感じです。演技力と言う意味では木村拓哉の上をいっていると思います。最近ではテレビドラマ「ブラックペアン《で主役を好演したばかりですが、改めて見直しました。また脇役ですが被疑者松倉役の酒向芳という役者さんも凄い役者ですね。圧倒されました。

 つい最近「正義のセ《で新米検事役を演じたばかりの吉高由里子が検察事務官役で登場という奇遇もありました。吉高由里子の演技も見事で、これもまた木村拓哉を上回る演技でした。こういう本気の演技を見てみると、人気はありますが木村拓哉の演技ってどうも薄っぺらいんですよね。とは言っても、役者の演技の迫力を久しぶりに味わえる映画ですので是非ご覧下さい。

・ダービー馬の母馬死す・

 今年のダービー馬ワグネリアンの母馬であるミスアンコールが今回の北海道胆振地震で亡くなりました。ミスアンコールは震源地の厚真町の隣の安平町で放牧に出されていましたが、地震で左後肢を骨折し安楽死となりました。北海道胆振地震では40人の方が犠牲となりましたが、競馬界も大きな痛手を被りました。



■徒然思うこと■

・北海道胆振東部地震・

 関東では全く体感しませんでしたが大きな地震でした。今回も多くの方が山崩れで亡くなりました。西日本豪雨や台風21号の被害者の多くも崖崩れや山崩れで亡くなりました。以前にも書きましたが、我が国には背後を山にした住宅が本当に多く見られます。今回の犠牲者について「あんなとところに住んでいたのだから自業自得だ《という書き込みも多く見られます。住んでいる人達に言わせると「まさかあんなことが起きるとは思わなかった《ということでしょうが、山から数十メートル離れたところに住んでいれば何の被害も受けなかったのですから考え方が甘かったと言わざるを得ません。今回被害を受けた地域も「土砂災害警戒区域《に指定されていました。これからも日本中で同じことが起きると思います。「想定外《だとか「これまで何十年もこんなことは無かった《というのは災害被害の理由にはなりません。現に今年だけでも「過去に無い《ほどの自然現象が沢山発生しました。各自治体が発表するハザードマップをもっと活用すれば人的被害は大幅に減少させることが出来ると思います。何故ハザードマップで危険と指摘されている場所に家を新築するのか私には理解出来ません。強制的に建築をさせないといことは無理にしても、自治体は建築申請に対して警告ぐらいした方が良いのではないでしょうか?とは言っても調べてみたら「土砂災害警戒区域《の指定箇所って全国に66万ヶ所もあるんですね。最も指定箇所が多いのはやはり西日本豪雨で大きな被害が出た広島県で49500箇所、最も少ないのはさすがに沖縄県で1200箇所です。以外なのは関東で最も指定箇所が多いのは何と東京都なんですね。是非皆さんもご自宅付近のハザードマップを調べられることをお勧めします。

 それと今回の地震で情けなかったのは北海道電力です。北海道の電力の半分を供給している苫東厚真火力発電所が地震被害で発電を停止したために大混乱が起きました。震度7ぐらいと言っては何ですが、北海道のインフラの半分を支えているのですから震度8でも大丈夫なぐらいの備えをしておいて欲しかったと思います。もし泊原発の非常電源が機能しなかったらとんでもないことになるところでした。と言っていたら、経産省が問題の苫東厚真発電所の完全復旧が、今年の11月以降になると発表しました。北海道民の方は暫く上便な状態が続くことになります。暖房需要が発生する前に何とか復旧させてもらいたいものです。でも関西では未だに台風21号の影響で1万戸以上で停電が続いているそうです。災害が起きた時には殆どの場合に電気が最も早く復旧しますが、今回の台風21号では被害が山奥の送電設備にまで及んだために、そう簡単には復旧出来ないようです。広島県や和歌山県の山奥ばかりでなく、京都府でさえも未だに3千戸以上が停電していると聞くと本当に驚きます。一刻も早い復旧を祈ります。

・アジア大会ジャカルタ・

 アジア大会が終わりました。印象深かったのは今まで見たことも聞いたことも無かった競技が数多くあったこと。もう一つは異常なまでの韓国選手の日本選手に対する敵対心です。

 今回のアジア大会はパラグライダーやジェットスキーまで種目にあったんですね。日本人選手がメダルを獲得しなかったせいかメディアで取り上げられなかったので全く知りませんでした。一番驚いたのはトランプゲームのコントラクトブリッジが競技種目に含まれていたことです。「どう考えてもこれは絶対スポーツとは言えないな《と思っていたら、過去にアジア大会ではチェスや囲碁も種目になったことがあるそうです。定義としては「頭脳スポーツ《だそうです。

 まあ、サッカーは韓国と異なりオーバーエイジを招集しませんでしたし、卓球は世界ランキングのアップを重視して有力選手は軒並みチェコオープンに参加していました。体操にしても谷川選手以外は準主力級ということで、国を挙げて全力で立ち向かったとは言い難かったですが、それなりの成績は残したと思います。特に水泳陣は大健闘でアジア大会序盤を大いに盛り上げました。

 と言うことで、マスコミでは日本と韓国の金メダル争いを大きく取り上げていましたが、アジア大会のメダル数というのはあまり意味が無いということがよくわかりました。やはりメダル数争いはオリンピックですね。

・大坂なおみ全米オープン優勝・

 しかし強かったですね。試合を重ねるごとに強くなっている感じでした。最近2年間の女子テニスの4大大会では優勝者が総て異なるという群雄割拠状態です。元世界ランキング1位という現役選手が沢山います。大坂選手がこのまま安定したプレーを続けていくことが出来れば1年以内の世界ランキング1位も夢ではありません。

  しかし問題だったのはセリーナ・ウィリアムズの試合態度とそれを後押しした観客と試合結果に関して「私達が求めた結果ではなかった《と発言した全米テニス協会の会長です。試合後セリーナのコーチが自ら違反行為であるアドバイスを送ったことを認めているのにセリーナは未だに世間や主催者や審判に対して謝罪していません。セリーナの一方的な抗議を鵜呑みにして表彰式でまでブーイングを行った観客も問題です。そして一方の選手に肩入れしていたかのような発言をした全米テニス協会の会長の発言は大問題です。これからマスコミの袋叩きに遭うことでしょう。

 



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